長居動物病院Blog

2023.09.04更新

 

グリオーマ・グリオブラストーマ(GBM)神経膠種・神経膠芽種は非常に悪性度が高く、現行治療(放射線や抗がん剤など)では治療困難な脳腫瘍で、人間だけでなく犬や猫にも認められます。

2023(令和5年)に出たNatureという世界トップレベルの学術雑誌の中で、グリオブラストーマの腫瘍細胞は、神経細胞と接続することで細胞増殖が活性化していることがわかりました。

その結果、シナプス(神経細胞同士が連絡する接点)形成などに重要なタンパク質である
Thrombospondin-1(Tsp-1)の発現が上昇していることが発見されました。


そこで、Tsp-1阻害剤であるGabapentin(ガバペンチン)を使用すると腫瘍細胞の増殖を抑制できることが明らかになりました。
今回の発見は、脳腫瘍に伴う脳機能障害が腫瘍拡大による単純な圧迫による脳浮腫だけではなく、腫瘍と神経のシナプス形成による脳機能ネットワーク改変による障害や腫瘍増殖も原因であることがわかりました。
ここに登場するガバペンチンはすでに犬のてんかんや神経疼痛を抑える薬として、日本国内でも販売されています。

 

獣医界のみならず、人間の脳腫瘍の治療にも大きなインパクトを与える可能性も秘めています。
もし、獣医の大学病院や二次病院の画像診断で神経膠種と診断され、手の施しようがないと宣言されたら、是非一度院長獣医師東條雅彦までご連絡ください。

投稿者: 長居動物病院

2017.11.14更新

犬や猫の扁平上皮癌は、皮膚や口腔内、特に高齢化した動物に多く見られます。
外科手術や放射線治療で治療できれば、それにこしたことはありませんが、全身麻酔下でおこなう必要があり、体に受けるダメージも部位によっては、大きいものがあります。
では、内科的な治療法はないのでしょうか。
時代の進歩とともに注射薬、内服薬、外用薬が選択肢として表れました。
①注射薬
ルペオール注射液
癌細胞の核内遺伝子NF-kBに働き、癌による炎症疼痛を抑える働きをします
ビタミンA注射液
未熟な扁平上皮の癌細胞を角化させる働きをします。

②内服薬
Palladia(トセラニブ)
チロシンキナーゼと呼ばれる細胞分裂に働く信号をブロックすることにより、扁平上皮癌細胞を縮小させます。
ピロキシカム
本来非ステロイド系抗炎症剤でありますが、プロスタグランディンE2という炎症物質であり、免疫抑制物質を抑制することにより癌細胞の増殖を抑制します。

③外用薬
セラミド
本来化粧品にも使用される皮膚のうるおい成分でもありますが、癌細胞をアポトーシス(死亡させること)させる作用があることが近年発見されました。
皮膚表面だけでなく、口腔内にも使用できます。現在、当院では犬と猫の口腔内扁平上皮癌に使用しております。

これらの治療法についての質問、お問合せは院長、獣医師東條がうけたまわります。お気軽にお電話ください。
院長不在の際は、こちらからご連絡させていただきます。

投稿者: 長居動物病院

2017.11.14更新

犬の乳腺腫瘍の約50%が悪性であり、そのうちの約半分つまり全体から見ると約25%がリンパ節、肺、脳などに転移するきわめて悪性度の高い乳腺癌と言われているものです。
これまでは、有効な抗癌剤はなく、はっきり申し上げてお手上げの状態でした。
しかし、最近、海外文献より人間の糖尿病治療に使用し、約50年の歴史のあるメトホルミンという薬が犬の乳腺癌に反応し、縮小することが判明しました。メトホルミンは血糖値を下げる力はマイルドで低血糖になることはまずありません。
この薬は乳腺癌細胞の増殖を抑え完治を目指すものではなく、共生をめざすものです。しかし、すべての症例に効果があるとは限りませんので、まず1か月間内服してみてください。反応すれば、乳癌が小さくなっていくのが実感できると思います。

これらの治療法についての質問、お問合せは院長、獣医師東條がうけたまわります。お気軽にお電話ください。
院長不在の際は、こちらからご連絡させていただきます。

投稿者: 長居動物病院

2017.11.14更新

老犬に多い悪性メラノーマは、口腔内や爪に発生するものが多く、発見された時には既に肺やリンパ節、脳などに転移しています。外科手術や放射線、抗癌剤などにより治療しますが、体にうけるダメージが大きく、飼い主さんや老犬にとってつらいものがあります。
そこで当院ではその他の治療選択肢として、次のオプションがあります。
これらの治療法は、悪性メラノーマが患者さんの免疫力によって、コントロールされるという背景に基づいています。

①患者さんの免疫力をアップさせる方法
・犬のインターフェロン(インターDOG)
・丸山ワクチン(アンサー、ゼリア新薬工業)
・シメチンジン(本来胃潰瘍の薬であるが、免疫調節作用を持つ)

②患者さんの免疫にかかているブレーキをはずす薬(人では、オプジーボが有名になりました)
・Plladia(トセラニブ)という分子標的薬
・ピロキスカム(非ステロイド系抗炎症薬だが、プロスタグランディンE2を抑えて転移を抑制する)
・ルペオール注射(悪性腫瘍におけるNF-kB)と呼ばれる細胞核内の炎症を引き起こしている分子を抑える働きをする。
・stiripentol(スチリペントール、人の小児科における抗てんかん薬)乳酸脱水素酵素阻害剤、メラノーマでは乳酸が免疫細胞の侵入を阻害するので、これをブロックする薬です。

これらの治療は単独で行うものではなく、各種組み合わせて治療いたします。
これらの治療法についての質問、お問合せは院長、獣医師東條がうけたまわります。お気軽にお電話ください。
院長不在の際は、こちらからご連絡させていただきます。

投稿者: 長居動物病院

2016.12.13更新

12月31日(土)9:00~15:00

1月1日(日)10:00~15:00

1月2日(月)10:00~15:00

1月3日(火)休診日

※1日、2日は継続診療以外の診察には、特別診察料金5,000円を別途申し受けます。

1月4日(水)より通常通りの診療となります。

投稿者: 長居動物病院

2015.12.08更新

年末年始診療・休診について、下記ご確認ください。

12月28日(月)通常通り

12月29日(火)休診

12月30日(水)通常通り

12月31日(木)受付時間変更(午前中の受付は9時~15時まで、午後は休診です)

1月1日(金)~1月3日(日)一般診察は休診で、継続診療のみとなります。

1月4日(月)通常通り

よろしくお願い致します。



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投稿者: 長居動物病院

2015.07.30更新

本日よりブログを始めました。

今後の更新をお楽しみに!

投稿者: 長居動物病院

2015.07.24更新

2015年現地点で、膀胱移行上皮癌の治療は、ピロキシカムという非ステロイド系抗炎症剤と、ミトキサントロンという抗癌剤の組み合わせが第1選択となっております。
しかし、この治療で100%癌の縮少及び、臨床症状の改善が認められるわけではありません。

当院では、週1回のルペオールという注射と、イペットSという抗癌サプリおよびピロキシカムの併用により、
大きな副作用も見られず、ときどき血尿する程度でほぼ健康に生活しているワンちゃんが現在3症例認められます。

ただ、標準治療ではありませんので、院長に電話相談ください。
不在のときは、こちらより連絡お電話致します。

投稿者: 長居動物病院

2013.05.18更新

【幹細胞療法の基礎知識】
下記画像をクリックすると大きい画像でご覧いただけます。

投稿者: 長居動物病院

2013.05.18更新

【樹状細胞療法について知る】
下記画像をクリックすると大きい画像でご覧いただけます。

投稿者: 長居動物病院

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