新しい診療治療法

2026.07.13更新

猫の白血病レトロウイルスが原因で発症したリンパ腫は致死的で
既存の抗癌剤での治療効果は限定的でした。
一方、人間にもレトロウイルスによる長い潜伏期間を経て発症する
ATL(成人T細胞白血病リンパ腫)があり、きわめて予後の悪い
腫瘍であります。
しかし近年、日本発創薬として全く新しいタイプの人間用分子
標的薬である抗癌剤が発売され、ATLをはじめとする悪性リンパ腫
に対し、数百種類に及ぶがん抑制遺伝子の発現を劇的に回復させ
腫瘍細胞増殖を強く抑制する内服薬が販売されました。この薬は
抗体医薬ではなく低分子で猫の白血病ウイルスの遺伝子に対しても
同様に働く可能性が高いと考えられます。
今日まで、猫のリンパ球遺伝子内にレトロウイルスの遺伝子が組み
込まれて発症してしまう猫のリンパ腫に対し有効な治療法がなかった
だけに、期待の持てる内服薬であると考えております。
この新しい分子標的薬に対し、興味を持ち、一度治療相談してみよ
うとお考えの飼い主様は、院長獣医師である東條がご相談(有料)
承ります。お気軽にお電話ください。

                                                          院長 東條 雅彦

投稿者: 長居動物病院

2026.07.13更新

犬の高悪性度T細胞リンパ腫では、ロムスチン(lomustine)を
組み込む多剤併用療法が有効とされ、今日獣医腫瘍学では主流と
なっております。
しかしながら、ロムスチンによる肝機能障害や薬剤耐性が生じた場合
有効な手立てがなく今日に至っております。
近年、人医学領域では、悪性Tリンパ腫細胞の遺伝子に
直接働きかけ、再発難治性Tリンパ腫に対し保険承認された
低分子分子標的薬が発売されました。この内服薬は抗体医薬と異
なり、人間以外の動物種でも有効性があると考えられる構造式を
持っております。
この新しい分子標的薬に興味を持ち一度治療を考えてみようかと
お考えの飼い主様は、院長獣医師である東條がご相談(有料)
承ります。お気軽にお電話ください。
                              
                                                           院長 東條 雅彦

投稿者: 長居動物病院

2026.03.27更新

メルファランとプレドニゾロンによるMP療法に対し、薬剤耐性や
有害事象である血小板減少症の発症が認められた場合、継続
投与ができなくなります。
そこで当院では、レスキュー療法としてサリドマイド内服、デキサメ
サゾン注射、骨融解を伴う痛みに対しては、月1回の注射や内服
でコントロールしております。この治療法に対し、ご相談(有料)、
治療をご希望の方は院長獣医師である東條雅彦と指名の上ご連
絡ください。お待ちしております。

                       院長 東條 雅彦

投稿者: 長居動物病院

2026.02.22更新

悪性腫瘍 例えば、骨肉腫や多発性骨髄腫、悪性組織球症
など骨の原発性あるいは、骨転移に伴う鈍性の痛みは、持続的
に交感神経を刺激し、食欲不振や免疫低下を引き起こし著しく
体力やQ.O.Lの低下を招き、寿命を縮め飼い主様の心労を
深めます。では人や犬で第一選択となっている麻薬製剤はどうで
しょうか。否定するつもりではありませんが、管理が厳しく心理的に
抵抗があるのは事実です。しかし、令和の時代となり、月1回の
注射と内服薬でほどよく疼痛管理が出来るようになり、当院では
骨肉腫や悪性組織球症の患者様より大変感謝されております。
この記事に興味を持たれ現在お悩みの方は、お早めに来院され
ることをお勧めします。担当は院長獣医師東條雅彦とご指名くださ
い。お待ちしております。

                                                            院長 東條 雅彦

投稿者: 長居動物病院

2026.01.28更新

人間の若者に多く発症する骨肉腫は、人では比較的まれな疾患で
ありますが、犬においては大型犬に多く認められ、年に数回
遭遇する事もあります。治療法としては、
外科手術・放射線・殺細胞性抗癌剤
(アドリアマイシン・カルボプラチン・シクロフォスファミドなど)
が主流となっております。
ですが、ほとんどすべての症例において血行性肺転移により死の
転機をとります。近年、癌細胞の特定分子を標的とする新しい
抗癌剤として分子標的治療薬が生まれ、人医領域では肺転移を持つ
骨肉腫症例に対し、mTOR阻害剤であるラパマイシンが肺転移巣の
縮小を認めることが判明しました。このラパマイシンは、今まで人医
しか入手できなかったのですが、近年アメリカ合衆国において猫の
肥大性心筋症に対する治療薬としてFDAに認められ、海外薬ですが
獣医師にも手にいれることができるようになりました。
今まで肺転移巣の拡大により呼吸困難となり、死亡していたワンちゃんに
対し、ゲームチェンジャーとなり得る動物薬と考えております。
この話に興味を持たれ、治療をお考えになった飼い主様が
おられましたら、院長獣医師である東條をご指名のうえご相談(有料)
してください。
                         院長 東條 雅彦

投稿者: 長居動物病院

2026.01.28更新

ドキソルビシン5-6回静注したあと
その後の治療について(蓄積性心筋毒性)

血管肉腫は、悪性度と分裂性の強い血管内皮の腫瘍であります。
犬における治療の第1選択薬はドキソルビシンと呼ばれる抗癌剤で
あるが、蓄積性の心臓の筋肉に対する毒性があり、3週間毎の
静脈注射で回数制限があります。しかも、血管から抗癌剤が漏れる
と、重篤な皮膚組織の壊死が起こり、最悪の場合断脚も考えなけれ
ばならないなど獣医師にとって、いやな抗癌剤の1つです。
それだけ苦労して投薬しても、生存期間中央値は約6ヶ月、1年
生存率は10%以下であります。
◎もともと血管の内側にある細胞の腫瘍なので肺、腹腔内リンパ節、
 肝臓、腸管膜、大網、腹膜、骨、脳、皮膚など血管の存在するい
 たるところに転移する非常にやっかいな悪性腫瘍です。
◎ではドキソルビシンを使用できなくなったあと何かできることはな
いのか、次の一手は何もないのかということです。
私自身、現在ドキソルビシン終了後4ヶ月生存しているミニチュア・
ダックスフンドを治療しています。私は血管肉腫を攻略するポイント
が大きく分けて4つあると考えています。
第1番目 血栓を作りにくくすること
ドイツの病理学者で、歴史上有名なウィルヒョウの三徴
(血栓症のリスク因子)
血管壁の異常
血流のうっ滞
血液凝固能亢進(血液どろどろ) 
から考案した治療法です。
血管肉腫は、血栓症による死亡率が非常に高い悪性腫瘍です。
もともと血管壁由来の腫瘍なのであたりまえといえばあたりまえだと
思います。これに対する治療法としては、血栓および凝固亢進の予防
としての内服薬や低分子ペリンの注射薬があげられます。
血流のうっ滞、血液凝固能亢進に対しては、血液をサラサラにすれば
良いのでw-3脂肪酸の内服サプリメントを使用しております。
第2番目 血管新生を抑制すること
レブリチン投与
レブリチン投与
悪性度が高くなればなるほど腫瘍自身が大きくなろうと細胞分裂を
繰り返し、より栄養やエネルギーが必要となります。
そのため腫瘍が新たに血管を作り、自身へ引っ張り込もうとします。
これに対しては、サリドマイド(内服薬)、レブリチン(注射薬)な
どの薬を使用することにより血管新生を抑制することがある程度可
能となりました。
第3番目 腸活(腸活による体内の免疫力Up)
腸内には無数の腸内細菌が動物と共生しており、その中で善玉菌を増
やすことが体全体に存在する免疫細胞集団の60%ー70%をかかえる
腸を元気にし、自身の免疫力Upすることにより腫瘍と戦い排除する
力を持つと言われています。その中で血管肉腫に対しては、
カワラタケ(2000年以上前から使われてきた漢方薬)の成分である
PSP(Polysaccharide peptide)に免疫調節作用および抗腫瘍効果があり、
ペンシルバニア大学で脾臓の血管肉腫摘出後、毎日与えられた犬の
生存期間が抗癌剤と同等であるとの研究結果が出ました。
米国ではすでに多くの獣医師および腫瘍専門医が血管肉腫の治療に用い
ています。
第4番目 非ステロイド系抗炎症薬
腎臓が悪くなければ使用できる薬であり、腫瘍細胞が分泌するプロスタ
グランディンE2(PGE2)を抑えることにより腫瘍細胞周囲に起こっている
炎症や局所免疫の低下、転移の促進などを抑える効果があります。


以上、4つの治療を組み合わせることにより、まず1年生存率を延ばすこと
を目標としております。

 

                       院長 東條 雅彦

                                                                                                                    

投稿者: 長居動物病院

2025.08.09更新

 

犬の胃癌は極めて悪性で、吐血などの症状が出た場合は周辺のリンパ節などに転移しており
2025年現在、外科手術による切除ができない症例は内科治療がほぼ皆無でありました。
しかし、医学・獣医学は日進月歩であり人の医学では外科手術による切除が不能の症例に対し
以前より潰傷性大腸炎に使用されていた治療薬が有効なことが、第一相試験で証明されました。
この薬は獣医医療でも使用されており、比較的安価であることから他の制吐剤・抗潰傷剤と併用して
用いることができます。

 

この記述に興味を持たれたり、現在治療法がないと診断された方は御来院、御相談(有料)、承ります。
院長獣医師東條と御指名のうえ御予約ください。

 

院長 東條 雅彦

投稿者: 長居動物病院

2024.07.08更新

犬の悪性組織球肉腫は、免疫細胞の一種である樹状細胞由来の悪性新生物で、大型犬である

バーニーズマウンテンドッグ、フラットコーテッドレトリバー、ラブラドルレトリバー、ゴールデンレトリバー、ウェルシュコーギーなどに多く認められる腫瘍です。

中年齢からの発症が一般的ですが、若齢で発生することもあります。組織球肉腫は、急速に広がり転移を起こす悪性度の高い腫瘍で、貧血を起こす血球貧食性組織球肉腫と言われる特殊な型もあります。

初発部位としては、脾臓・肺・中枢神経・骨髄・皮膚・皮下などが挙げられ、転移先として肝臓・肺がもっとも多く認められ、検査方法として主に次の方法が挙げられます。

・触診を含む身体検査
・血液検査
・細胞診(腫瘍に針を刺し採取した細胞を顕微鏡で観察する検査)
・胸部レントゲン検査
・腹部超音波検査
・手術による病理組織検査
・CT、MRI検査

 

治療法として
1.手術
発生部位が限定的であれば、外科手術で病巣を摘出し病理診断をしたのち化学療法CCNU(ロムスチン、内服薬、海外薬)、ACNU(ニムスチン、注射薬、国内薬)など3週間隔で投与するのが一般的です・

2.放射線治療
発生部位が限定的で、外科手術を望まないのであれば何回かにわけて放射線照射をしたのち手術後と同様に、化学療法を行う方法です。

3.化学療法
組織球肉腫が全身播種し、外科手術や放射線治療の適応外である場合は、CCNU、ACNUなどのアルキル化剤と呼ばれるがん細胞のDNAのコピーができないようにする抗癌剤が第一選択となります。
しかし、ほとんどの場合数カ月で薬剤耐性ができてしまい打つ手がないのが現状です。
ところが人医療の進歩に伴い、MEK阻害薬と呼ばれる細胞の異常増殖を引き起こすMEKタンパク質の活性化を阻害することで、がん細胞の増殖を抑える内服薬、抗がん剤が出現しました。

現在内服中のバーニーズマウンテンドッグの飼い主様からの問診では、CCNUに対し薬剤耐性ができてしまったが、この新しいタイプの抗がん剤を使用したところ、胸部レントゲンで肺野がきれいになり、食欲も増し、元気も出てきたという著しい効果が見られているとの報告を受けました。

 

今まで打つ手がなかっただけに、獣医師としては喜ばしい限りです。

費用面などの問題はありますが、御来院、御相談、承ります。院長獣医師東條と御指名のうえ御予約ください。

院長 東條 雅彦

投稿者: 長居動物病院

2023.09.05更新



グリオーマ・グリオブラストーマ(GBM)神経膠種・神経膠芽種は非常に悪性度が高く、現行治療(放射線や抗がん剤など)では治療困難な脳腫瘍で、人間だけでなく犬や猫にも認められます。
2023(令和 5 年)に出た Nature という世界トップレベルの学術雑誌の中で、グリオブラストーマの腫瘍細胞は、神経細胞と接続することで細胞増殖が活性化していることがわかりました。

その結果、シナプス(神経細胞同士が連絡する接点)形成などに重要なタンパク質であるThrombospondin-1(Tsp-1)の発現が上昇していることが発見されました。

 

そこで、Tsp-1 阻害剤である Gabapentin(ガバペンチン)を使用すると腫瘍細胞の増殖を抑制できることが明らかになりました。
今回の発見は、脳腫瘍に伴う脳機能障害が腫瘍拡大による単純な圧迫による脳浮腫だけではなく、腫瘍と神経のシナプス形成による脳機能ネットワーク改変による障害や腫瘍増殖も原因であることがわかりました。
ここに登場するガバペンチンはすでに犬のてんかんや神経疼痛を抑える薬として、日本国内でも販売されています。

 

獣医界のみならず、人間の脳腫瘍の治療にも大きなインパクトを与える可能性も秘めています。
もし、獣医の大学病院や二次病院の画像診断で神経膠種と診断され、手の施しようがないと宣言されたら、是非一度院長獣医師東條雅彦までご連絡ください

投稿者: 長居動物病院

2021.08.06更新

ワンちゃんの肝臓癌の約70%は肝細胞癌であります。

肝細胞癌は腫瘤型結節型びまんの型の3つのタイプがあります。これらのうち腫瘤型は外科手術で摘出が可能であれば治療としてはベストだと思います。

ですが、複数の肝葉を侵している結節型や、散らばっているようなびまん型は外科手術が不可能です。

それでは黙って放置するしかないのでしょうか?

 

近年、腸内細菌叢の研究が急速な進歩をとげ、高脂肪食の取り過ぎや肥満になると、腸内でグラム陽性菌(染色液で青っぽく染まる細菌)が増殖しグラム陽性菌の細胞壁成分であるリポタイコ酸が腸肝循環である門脈を経由し、肝臓に至り肝臓腫瘍部でPGE2(プロスタグランディンE2)と呼ばれる炎症物質が多く産生されることがわかりました。

このPGE2は、炎症を起こすと同時に、抗腫瘍免疫(癌細胞を攻撃する免疫細胞、例えば、キラーTリンパ球やNKTリンパ球というような細胞性免疫)を抑制し、肝癌細胞を大きくしてしまうようなことが起こります。

 

以上の事実から、肝細胞癌を大きくしない為に2つの攻撃ポイントがあることがわかりました。

その1,肥満を解消し、腸内のグラム陽性菌数を減少させる。

その2,肝細胞癌が産生するPGE2(プロスタグランディンE2)をブロックすることにより、抗腫瘍免疫を復活させ再びキラーTリンパ球やナチュラルキラーTリンパ球を活性化させ、肝細胞癌を攻撃させること。

 

その1については、犬の食事療法や運動することによる肥満解消、整腸剤や抗生物質、オゾン注療法などによるグラム陽性菌数を減らす方法がとれること。

その2については、2021年現在、日本国内で犬の治療に用いられている。一部の非ステロイド系抗炎症剤を使用しPGE2を減らす方法が考えられています。

 

犬の肝臓癌の治療について、興味のある方は院長獣医師の東條雅彦にご相談、お電話ください。不在の場合こちらより連絡させていただきます。

院長 東條 雅彦

投稿者: 長居動物病院

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